07年9月某日、中学の同窓会に行ってきた。「中学を卒業して20年という節目に集まりましょう」とうハガキが来たのだ。正直いってあまり気は進まなかった。しかし滅多にない機会であるということと、よく、マンガとかドラマであるような、昔かっこよかった男の子がすごいおじさんになっていて愕然・・・といったシチュエーションをちょっと体験してみたいという思いがあり、参加することにした。
同窓会前日 ― 髪を切ろうか迷っている私の話を聞いたバイト先の店長は、すぐさま知り合いの美容師に電話を掛け、あっさりと「明日10時に予約したから行ってきな」と言われた。そして「名前は”関ちゃん”で予約してあるから」とも。
同窓会当日 ― その日の朝はハードスケジュールだった。朝8時にバイト先に出勤し、10時に予約してもらった美容室へ。まさか店長の言った通り「関ちゃんです」と言う訳にもいかず、「いつも店長がお世話になっております。ファミリーマートの関塚です」と丁重に挨拶し、カットしてもらった。1時間程でカットも終わり、いざ会場へ。会場は御茶ノ水にあるホテルの一室であった。苦手な正装をしてドキドキしながら会場へと向かう。受付で幹事をやっている女の子に声を掛けられてちょっと安心。しかし、その横にいた同じく幹事の男の子を見て心の中で呟いた。(あ、ふくらんでいる・・・)そこには中学時代にバスケ部で割とかっこよかった男が、顔は全く変わらないまま、全体的に大きくなった姿があった。”太った”という表現の方が正しいのは分かっているが、直感的に「ふくらんでいる」という言葉が浮かんでしまった。
会場に入ると懐かしい顔ぶれが・・・と思いきや、正直もう誰が誰やら分かりゃしない。もともと人の顔を覚えるのが苦手な私は、それぞれが受付で渡され胸につけた名札を見て会話を成立させるのに必死だった。結婚している女の子は名札に(旧姓○○)と書いてあり、一目で結婚しているかいないか分かってしまい、ちょっと肩身が狭かったりする。会場には30人程集まり、クラスは違ってもなんとなく名前は覚えているのだった。ただ、○組の○○というよりは○○部の○○というように、所属部活で覚えている人が多かった。中学時代、話をしたことがなかった人でもそういう場では話しやすいのか、剣道部だった男の子が話しかけてきた。それなりに話が盛り上がった時に言われた一言、
「関塚さんて百人一首得意だったよね!!」
・・・どんな覚えられかただよ!!そりゃあクラスでも目立つ方ではなかったし、部活も地味〜に音楽部だったし、印象が薄いのは分かるけどさぁ。うちの学校では、毎年1月に百人一首大会というのがあり、変なところで完璧主義の私は百人一首を全部覚え、密かに一人燃えていたのであった。あぁ、そういう覚えられかたもあるんだなぁと。そうかと思うと、別の男の子に言われた一言。
「いやぁ、あいかわらず学者っぽいねぇ」
・・・だから意味分かんないって!!
まぁ、その辺は笑い話で済むのだが、避けては通れないことを聞かれる。
「お前、今何やってんの?」
「ん、フリーターやってる・・・」
「何やってんだよぉ」
30代半ばを過ぎ、結婚はもちろん、就職もせず、バイトしながら芝居の照明屋をやっている、とは誰にも言えなかった。気が進まなかった理由はここにあった。
先生も二人参加していたのだが、中学2年の時の担任で、自分の恩師とも呼べる先生が3年前に亡くなったことを、その会場で初めて知った。生きていたら何と言われたんだろう。
大部分の人に言われたこと。それは「変わってないねぇ」 という言葉。自分でも外見的には変わっていないなぁと思う。中身は大分変わってしまったけれども。
同窓会に参加して発見したこと ― 男はふくらむ。メタボな男が何人いたことか。もちろん変わってない人もいる訳ですが。
残念だったのは自分が中学時代に好きだった男の子が来ていなかったこと。デブになっててもいい。ハゲになっててもいい。会ってみたかったぁと。でも実際メタボなハゲ親父になっていたら、やっぱり幻滅したんだろうか。
思い出話にも花が咲き、それなりに盛り上がって会は終了。「楽しかったね」、「またやりたいね」等と言いつつ、みんな自分の生活に戻って行く。次に同窓会が開かれるのが何年後かは分からないが、もしまた参加したら、その時も言われるのだろうか。
「いやぁ、変わってないねぇ」と。 |